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輪廻転生「クラウド アトラス」

輪廻転生を描いた映画が公開されました。2004年に発表されたデイヴィッド·ミッチェルの小説『クラウド·アトラス』を原作としたものです。映画は19世紀から 文明崩壊後までの異なる時代に舞台を置いた6つの物語で構成されています。過去・現在・未来にまたがる500年間の6つのエピソードがアトランダムに行き来するように見えて、実は完璧に計算された順序で描かれていきます。「マトリックス」を作った天才監督だけに見ごたえのある映画でした。

輪廻転生を信じる人が増えてきていると思います。しかし輪廻転生を証明するものは世の中にはありません。本当のところは、死んでみなければわかりません。でも、輪廻転生があると考えると、とても納得のいくことがあります。誰かに出会った時に、とても懐かしく思えたり、旅行で訪れたところが自分が昔住んでいたことがあるように感じたりと不思議な感覚を経験することはありませんか?

この映画で描かれるのは「魂の進化」です。「クラウド アトラス」では仏教の「業(カルマ)」を描いています。主演のトム・ハンクスは邪悪な者から善人へと輪廻転生していきます。邪悪な業は輪廻転生しても引き継がれますが、前世の失敗から何かを学び、少しずつ成長する様を描いていきます。また逆にヒュー・グラントはどんどん業を深めていくというトム・ハンクスとは対照的な人物を描きます。そしてこの2人のどちらが勝つかに、人類の進化と希望がかかってきます。映画では波乱に満ちた航海物語、幻の名曲の誕生秘話、原子力発電所の陰謀、人殺しの人気作家、伝説となるクーロン少女の革命家、そして崩壊後の地球の戦いと6つのストーリからなります。そこに生きる人々は、姿が変わっても引かれ合い、何度も出会っては別れ、争いと過ちを繰り返します。親子、夫婦、兄弟、恋人、友人あるいは敵同士となっても、いつかは愛を成就するためにです。その中でも感動の場面がありました。伝説の革命家ソミン451が死刑室に連行される前の記録官との会話です。「殺されると分かっていて、なぜ失敗する運命にある使命につくのか?」という記録官の問いにソミン451は答えます。「死というのは出入口にすぎず、一方が開けば他方は閉まるものだ」「一つの扉が閉まるときもう一つの扉が開かれる」ソミン451はヘルメットを頭に被さられて額を通して穴が空けられて即死です。しかし、ソミン451は微笑んで死んでいきます。

この映画で、また多くの人に輪廻転生という概念が植えつけられる気がします。このような映画ができるのも偶然ではありません。皆さんも一度、機会があればご覧になられてください。

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