実は私たちの肉習慣と地球上の食糧危機とは非常に関連があります。私たちが、穀類を家畜の飼料などに振り向ける代わりに、飢餓で苦しんでいる貧しい人々の食糧にするならば、世界中の慢性的食糧不足問題はほぼ解消されるといわれています。
完全に止めなくても私たちが肉の摂取量を半減するだけで、後進国のすべての人々の食糧に相当する穀物が浮くことになります。
これってすごいことですよね。肉を食べるのを止めろではなく、食べる量を減らせばいいのです。
ハーバード大学の栄養学者、ジーン・メイヤー氏の試算によれば、食肉生産量をわずか10%減少させるだけで、6000万人分の穀物が浮くことになるそうです。
少々驚きのデータですが、アメリカの穀類の80~90%が食肉生産のための家畜の飼料に向けられているそうです。食糧不足の背後にあるこのような真実の姿を正しく認識することは、私たちが地球上の資源を正しく活用するために不可欠です。
私たちの摂取する食品のなかで、肉はもっとも不経済かつ効率の悪いものなのです。それは、肉に含有されるたんぱく質は、質的にこれと何ら異なるところのない植物性たんぱく質と比較して、生産コストが20倍にも達します。私たちが食肉用家畜に与える飼料中のたんぱく質およびカロリーのうち、わずか10%が食肉として回収されるのに過ぎず、90%はドブに捨てられてしまうのです。
現在、食肉用家畜の飼料のために、広大な農地が使われています。これらの農地に、私たち人間が直接食用に供する穀類、豆類その他を作付けしたとしたら、生産性が著しく高まることは火を見るより明らかです。計算によると私たちが肉食によってたんぱく質を得ようとすれば、大豆から直接たんぱく質を得る場合に比較して約17倍の耕地が必要だそうです。その上、大豆には肉特有のいろいろな有害物質が一切含まれていないのです。
食肉用家畜の飼育は、地球上の限られた資源である土地の浪費であるばかりではなく、水資源の浪費であります。食肉用家畜の飼育には、野菜や穀類の栽培の場合に比較して約8倍の水が必要とされています。
現在、地球上の至る所で何千万人という人々が飢餓に苦しんでいるのを尻目に、ほんの一握りの富裕な人たちが肉食という贅沢な食習慣を変えようとしないで、広大な土地、膨大な水資源を浪費し、その上、肉食のために自らの健康を害しています。
何と愚かではないでしょうか?
マハトマ・ガンジー
「地球上に存在する資源は、すべての人々のニーズを満たすのに十分である。しかし、すべての人々が強欲を満たすほどはない」
世間一般の情報では、世界的な食糧危機に関して、「地球には、全人類の生命を支えるだけの容量がない」というのです。そして「誰もが最善を尽くしています。しかし、問題は絶対量が不足しているということです。
飢えに苦しむ人々の数はどんどん増えつつあります。もし、私たちが悲劇を回避したいのなら、人口抑制のための、真剣な、そして首尾一貫した対策を講じなければならない」と・・・・
どうでしょうか?
さきほど説明したように、地球上には、実は十分な資源があります。そしてある調査によれば、地球上には、自国内の資源によって自国民を養えない国はないということです。人口密度と飢餓とは直接には関連性のないことがわかっています。